ハニカム構造

「ハニカム構造」とは英語で「Honeycomb:ハチの巣」という意味で、正六角形または正六角柱を隙間なく並べた構造のことです。
確かにハチの巣は六角形からできています。

「ハニカム構造」は、強度を損なわずに、できる限り必要な材料を少なくできる構造として、幅広い場面で使用されています。

平面充填が可能なのは、三角形・四角形・六角形しかない

平面を隙間なく敷き詰めることを「平面充填(へいめんじゅうてん)」と言います。
全て同じ形状で平面充填が可能なのは、三角形・四角形・六角形しかないことが、古代ギリシアの数学者・ピタゴラスによって証明されています。

この三角形・四角形・六角形の図形のうち、外周の長さが等しい場合、その面積が最も大きくなるのは正六角形です。つまり、同じ量の蜜蝋で最も多くのハチミツを保存できるのは、正六角形を組み合わせた巣であるということになります。生き物たちは自然界の法則を巧みに利用して生きているのです。

逆に正三角形や正四角形、正六角形など、平面を埋め尽くせるそれぞれの図形が同じ表面積だった場合、その外周が一番短くなるのはは正六角形です。同じ面積を埋めるのに最も外周が短いということは、それが部屋のような構造物だった場合、壁をめぐらせる長さが最小であるということになります。

ハニカム構造の最大の特徴は衝撃吸収性

平面充填が可能な三角形・四角形・六角形の図形のうち、「強度」の観点で考えると三角形が最も優れています。
ですが、一方向から力(衝撃)を受けた場合の「力の分散」という観点で考えると、衝撃を五方向に分散できそれぞれの面が受ける力が小さくなる六角形が最も衝撃吸収性に優れていると言えます。

2000年頃からサッカーゴールにも六角形(ハニカム)が採用

ハニカム構造は軽くて強度があり、また音や衝撃を吸収できて断熱効果もあるという理由から、現在では飛行機の翼や駅のホームにある落下防止ドア、新幹線、建造物などの構造材料としても幅広く利用されています。

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